鹿児島で手作り!!三つ折り財布一本勝負の店|みつおり屋さん 
【レザークラフト用語】

手縫いとは?

よくレザークラフト界隈で聞くであろう「手縫いで丁寧に縫ってます!」だとか、「手縫いだから糸が切れにくく、ほつれにくい!!」であったり「手縫いの美しいステッチ!!!」なんて言葉。

正直私もはじめの頃は、手縫いって言われても、ふ〜ん(*´з`)という感じで何が違うのか分かりませんでした。

ということで、私なりの手縫い解説みたいなものを書いてみたいと思います。

まず必要な材料です。

1、手縫い針 × 2本
  昔、家庭科の授業で使った手芸針とは違います。
  
  革用の手縫い針は、少し先端がマイルドな感じといいますか、あらかじめ革
  に穴をあけてあるので、手芸針ほど尖っておりません。
  
  とはいえ、しっかりと手には刺さりますので気を付けましょう。
  あくまで、手芸針よりはということです。

2、糸
  みつおり屋さんでは、「ビニモ(ダブルロー付け)」という蝋(パラフィ
  ン)を染み込ませたポリエステルでできたものを使用しております。
  
  職人さんによっては、麻糸に蝋付けのものであったり、シニューという羊
  の腱を模したものを使っておられたりします。
  
  かつては、動物の本物の腱だったとは思いますが、現在のシニューはほぼナ 
  イロン製になっています。

3、糸切ばさみ
  
4、100円ライター
  縫い終わりで、糸をちょっと残して、それをあぶる時に使います。

5、菱目(ヒシ目)
  革に縫い穴をあける打ち具です。
  
  私が使用しているものは、穴が菱形なので菱目。
  
  他にも、穴が菱形ではないヨーロッパヒシ目とかもあります。 

【超簡単手縫い手順】

1、革を型紙どおり切る

2、革を貼り合わせたりする

3、菱目で革に縫い穴をあける

4、縫う長さのだいたい3〜4倍の糸を用意

5、糸の両端に手縫い針を装着

6、縫い穴を挟み込む感じで、まず左から針を通す。
  同じ穴に右からはりを通す

7、左右に引っ張って縫い締める。

8、最後は、火であぶって糸が抜けないように処理する。

9、コバを仕上げる。

10、これで貴方も・・・。レザークラフトマスター!! 



コバ(コバ処理)とは?

 レザークラフト界隈で耳にする言葉として、「コバ」や「コバ処理」
 などを見かけたことがあるのではないでしょうか?

 正直、レザークラフトをしない方にとっては初めて耳にする言葉だと思いま
 す。

 ということで、簡単に「コバ(処理)」について、書きとめておきたいと思い   
 ます。

「コバ」って何のこと?

「コバ」とは、簡単に言うと革の切断面。切り口のことを指します。

 二枚の革を貼り合わせた場合、真ん中に革の貼り合わせた境界線ができます。

 この部分がそのままになっていると、手触りや見た目が悪いのと、切りっぱな
 しの部分の強度が弱いため、傷みが進みやすくなって長期間の使用に耐えるこ
 とが難しくなってしまいます。

「コバ処理」って何のこと?

 そこで見た目や強度を良くし、また長く使えるようにするべく行う作業が
「コバ処理」です。

 コバに、市販されているものでいうとトコノールやCMC、バスコなど(ほか
 にもあります)のコバ処理剤を塗り込みます。

 それを、木製の道具(ウッドスリッカー等と呼ばれる)や、さらし等の布で磨
 き込みます。

 この作業により、手触りや見た目、また革の繊維が溶剤の働きで結びつくため
 強度もあがります。

 また、より革の境目を見えなくしようと染料によりコバを染めることも多く、
 そこは職人さんのこだわりを示す一つのポイントにもなります。

 職人さんだけではなく、お客様のなかにも経年変化を楽しみたい方々は、
 ヌメ革を染色仕上げではなく素材の色をいかすため、磨きだけの処理をご依頼
 されることもあります。

 ここまでは、コバを磨き込んで仕上げる方法になります。

「コバ処理」にも、様々な方法や手法が存在しており、細かく分けると
 職人さんの数だけ細分化されてしまいそうなほどかも(*´з`)

 で、私ができるとしたら、次の顔料系の処理剤を使用する方法まで(´Д⊂ヽ

 この方法は、簡単に言うと、顔料系の溶剤をコバにのっけてコバ処理とする
 方法です。

 やすりがけをしたり、ルーターでコバを整えた後、処理剤を塗り重ねていき
 蒲鉾状にもっていきます。

 これにより、大げさにいうと厚みが出るぶん衝撃に
 強くなる(そんな気がするレベル)のです。

 しかし、ただ塗り重ねるだけでは、コバ中央に線が入ったり気泡ができたりと
 結構難しくもあります。

 この手法の欠点(弱点)は、長く使ううちに折れ曲がりポイントからヒビが
 入ってしまうことです。

 その場合、気になるレベルであれば一度はがして、もう一度塗りなすことも
 可能です。 (注)革や商品の状態にもよります。

 当店(みつおり屋さん)では、今のところ染料で染色後、磨き上げる手法を
 採用しております。

 もしかしたら、私の気が変わって顔料仕様に変更することもなきにしもあら
 ず。

 その時は、しれっと(*´з`)変更せず、お知らせする所存です。